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洗顔後の「つっぱり」はどうして起こる?洗顔のときに気をつけるべき5つのポイント

お風呂や洗顔の後に起きるお肌の「つっぱり」は、どうして起きるのでしょうか?
また、加齢とともにつっぱり感がどんどん悪化していくのをどうやったら緩和できるのでしょうか。
自分のお肌が「敏感」または「やや敏感」と感じている日本人女性は全体の70%を超えているという調査データもあるくらいですが、敏感な人は単につっぱるだけでなく、ヒリヒリとした痛みを伴うこともあります。

つっぱりの原因は水分が急速に失われるから

お風呂や洗顔後につっぱる理由は、お肌に必要な水分が急速に失われてしまうからです。

ではなぜ、洗顔前には感じないつっぱりを洗顔すると感じるようになるのかといえば、水分が蒸散しないようにカバーしてくれている皮脂がメイクや汚れを落とすとき一緒に落ちてしまうためで、そのまま皮脂成分を補給しなければ、すぐに水分も蒸散してしまいつっぱりを感じます。
皮脂を失いたくないといっても化粧品は油性成分が含まれているので、メイクを落とすためには、どうしても油である皮脂も一緒に落としてしまいます。
このため入浴や洗顔後には皮脂が担っているお肌のバリア機能が弱くなることを避けられず、敏感な顔につっぱりや強張ったような違和感を感じるようになります。
バリア効果を失ったお肌は刺激にも弱くなっているため、敏感な人や症状が進んでしまった人はヒリヒリした痛みを感じることがあります。
また、20代前半までは皮脂量も多いため人為的にケアせずお肌からの自然分泌で間に合っても、20代後半になると分泌量が減るため、水分蒸散に間に合わずつっぱりを強く感じる人が増えてきます。

ところで、資生堂による調査では、1980年代には20%程度だった「敏感」「やや敏感」と自覚している人が2000年代には70%を超えるほどに増加しています。
一方で34.9%の皮膚科医が、「私は敏感肌」という消費者の自己認識は単に思い込みによるものが多いと考えている調査レポートもあります。
では、この消費者と医師の認識のギャップはいったいどこから来ているのでしょうか?
もしかするとそのギャップの正体とは、皮膚科医の先生方がお考えの敏感肌とは「先天的な体質」を持つ人だけを対象としたことで、消費者の意識は、先天的な体質の人に加え、食事やスキンケアのやり方を含む生活習慣から起きているもの、つまり「後天的な症状」によって敏感になってしまっている場合も含まれるということではないでしょうか。
もしもそうだとすると、気をつけるべきポイントをしっかり押さえて洗顔し、失われた皮脂を補うスキンケアもしっかりやれば改善でき、「私は敏感肌かも?」という心配を減らせるのではないかと思います。

良質な睡眠でターンオーバーを促し表皮細胞の働きを正常に戻していくということも大切ですが、当たり前と思ってきた毎日のスキンケア方法の中に、お肌の水分が過剰に失われて、つっぱりの原因となってしまうような習慣が隠れているかもしれません。

洗顔料を変えてみる

洗顔料の役割は、汗、ホコリ、メイク、汚れ、クレンジング剤などを洗い流すことですが、洗浄成分が強すぎると、お肌に必要な皮脂も多く洗い流してしまうので、水分の過剰蒸発も起こしやすくなります。
これがつっぱりやヒリヒリの原因になっていることが多いので、お肌が弱いと感じるときは、あまり強すぎる洗顔料やクレンジングは避けましょう。
このため、毎日変わるお肌の状態に合わせて、洗顔料を使い分けるのがおすすめです。

比較的強めな洗浄成分としては、石けん、カリ石けん、ラウリン酸、ミリスチン酸などの石けん系成分です。
これらが成分表の上位に記載されている洗顔料は、皮脂も洗い流してしまう脱脂効果が高いものといえます。
石けんの成分は肌に優しいと評価する皮膚科医師もいますが、一方で、強い洗浄力が刺激になることもあります。
また、ニキビケア専用やスクラブタイプのものは、汚れ等をしっかり落とすことを重視しているので脱脂効果が高く、つっぱりやすい洗顔料といえます。

逆に、洗浄力が優しい成分は、ココイルグリシンK、ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNaなどのアミノ酸系や、ココアンホ酢酸Na、コカミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤と呼ばれるものです。
これらが成分表の上位に記載されている洗顔料は、比較的マイルドな傾向にあります。
ただし、アミノ酸系洗浄成分はすすいでも肌に残るので刺激になるという意見もありますので、自分のお肌に合ったものを選びましょう。

洗顔のやり方を見直す

よく知られている通り、強くゴシゴシ擦って洗顔すると角質が傷ついてしまい、水分が失われやすくなります。それはオデコや鼻でも同じ。
また、洗顔の強さだけでなく、回数が多くなっても大切な皮脂が失われてしまいます。
1日の洗顔回数が過剰な状態を続けると(個人差がありますが、目安は日に3回以上)皮脂の分泌が過剰になってオイリーな肌質に変わることがあり、ベタベタとした肌感を嫌ってさらに洗顔回数が増えてしまう人も多く、肌荒れやインナードライ肌の原因にもなります。
特別な理由がない限り1日の洗顔回数は2回以下にしましょう。

つっぱらない洗顔のコツは優しく洗うことですが、泡にも「お肌に優しい泡」と「負担がかかる泡」があります。
たとえば、泡立てネットは少量の水で立体的な泡を立てることができる便利なグッズですが、泡立てネットでつくった泡はボリューミーに見えても、適正な水分が含まれていないこともあり、そうなると泡はお肌に摩擦による負担をかけてしまいます。
泡立てネット等の便利グッズを使うときは、しっかり水分を含ませながら泡立てるように心がけてください。
さらに、お肌に指が直接当たらないように洗うと摩擦を減らせます。

また、洗顔時間も短めにしましょう。
洗っている時間そのものは30秒ぐらいで十分、もしも2分以上洗っている人はちょっと長すぎです。

お湯の温度を適温にする

水の温度は「ぬるま湯」でといいますが、概ね33〜35度ぐらいが適温です。
冷たすぎても熱すぎてもお肌のバリア機能を低下させてしまいます。
特に冬場の洗顔には熱めのお湯を使いたくなりますが、油分である皮脂は温度が高くなれば流れやすくなりますので、熱いお湯を使えば皮脂はより多く流失し、お肌の水分を保持できずにつっぱりやすくなります。

保湿ケアのタイミングを変える

お風呂上がりや洗顔の後は、皮脂などの不足から急速に乾燥が始まり水分が失われると申しましたが、皮脂成分を人為的に補給(保湿ケア)せずに放置すると入浴前よりも水分量が少なくなる人も多くいます。
こうした過乾燥の状態になるのを防ぐには、入浴や洗顔の直後に保湿ケアをすることが大切ですが、その「保湿リミット」は約10分が限度だと入浴医学の専門家である早坂信哉医師の論文によって解明されました(一般財団法人日本健康開発財団が発行する「日本健康開発雑誌2017」に掲載)。

入浴や洗顔後にはいろいろ忙しいですが、クリームや乳液などで十分な油分を補給することに重点をおいて、まずはお肌の保湿ケアから始めましょう。

皮脂成分を補給する

皮脂はトリグリセリドが最も多く、次にワックスエステル、スクアレンが続きます。

化粧水や乳液でスキンケアしているという人でも、バリア機能を担う皮脂成分が不足していれば潤いは長続きせずに乾燥状態になってしまうことがあります。
慢性化すれば皮脂不足のまま次の洗顔をしてしまい更に失われていくという悪循環に陥ってしまいます。

分泌された直後の皮脂は、脂肪酸が3分子のトリグリセリドという成分が約60%を占めていて、トリグリセリドは皮膚の常在菌の分解酵素(リパーゼ)によって徐々に加水分解されていき、脂肪酸が2分子のジグリセリド、脂肪酸が1分子のモノグリセリドを経てグリセリンになります。
また、トリグリセリド以外の主成分はワックスエステルが約25%、スクアレンが約12%、コレステロールエステルが約1%、その他が2%ほどというのが平均的な皮脂の成分構成です。

これらの成分のうち、構成比率の多いトリグリセリドやワックスエステルを補給することが、洗顔で失われた皮脂成分を補うことになります。
加水分解される前の状態であるトリグリセリドを多く含むクリームや美容液等で洗顔後のスキンケアするのがおすすめです。

皮脂の代わりになるオイル3+1選

皮脂の補給に適しているオイルはいくつかありますが、皮脂を構成している成分のどれかと同じ成分を主成分とするオイルが特に適しています。
皮脂の最多成分であるトリグリセリドが多いのがツバキ油(ヤブツバキシードオイル)とその他の椿類の種子油やオリーブ油で、ワックエステルが多いのがホホバ油です。
この成分が多く含まれているだめに、これらの油はアロマテラピーのベースオイルとしても使われています。

●ツバキ油(Camellia japonica Seed oil)

保湿効果、紫外線防止効果、抗酸化力に優れた日本原産「ヤブツバキ」の種子油で、皮脂の主成分のトリグリセリドを植物油で最も多く80〜85%も含むオイルです。このため、時間経過とともに分解されて減ってしまうトリグリセリドの補給には最適です。トリグリセリドはオレイン酸と呼ばれることもあります。
海外産の椿類の油など、ヤブツバキ以外の椿類の油はトリグリセリドの含有量が日本固有種である「ヤブツバキ(Camellia japonica)」の種子油より5%〜10%ほど少なくなります。

また、ヤブツバキ種子油の主要産地は伊豆大島などの伊豆諸島と、九州の五島列島ですが、全国合わせて年間ドラム缶300〜400本ぐらいしか収穫できない、とても希少な油でもあります。このため、他の椿類のオイルとブレンドして使われていることが多くあります。
では、ヤブツバキ種子油と他の椿油を見分ける方法はといえば、化粧品の「全成分」表記でわかります。
実は、化粧品の原材料として「ツバキ油」とカタカナ表記できるのは国産ヤブツバキの種子油だけで、ヤブツバキの種子油以外は「椿油」「つばき油」「カメリア油」など、カタカナの「ツバキ」以外で記載するよう厚生労働省によって規定されています。
また、具体的な配合比まではわかりませんが、全成分表示では1%以上含まれる原料は多い順に記載するルールですので配合の有無や多寡が判別できます。

●ホホバ油(Jojoba oil)

ホホバ油は、ホホバ(Simmondsia chinensis)の種子を原料とする植物油で、皮脂中で2番目に多いワックスエステルが含まれていて、サラッとしたテクスチャーです。
ワックスエステルとはお肌のバリア機能を保護して、水分と栄養分を保持しますが、皮脂中で最も多いトリグリセリドの働きを補助すると思えばよいでしょう。
なお、ワックスエステルを含んでいる植物油は、ホホバ油だけです。比較的安価ということもあり、アロマテラピーのベースオイルにも広く使われています。低温では固まりやすいオイルです。

●スクアレン(Squalene)

深海ザメの肝臓やオリーブの果実などから抽出されるオイルです。よく似た名前の「スクアレン」がありますが、こちらは原料の天然油で、「スクアラン」はスクアレンに化学的に水素を添加して、酸化しにくく安定状態にさせたものです。化粧品の原料としては安定状態のスクアランが使われます。
スクアレンはもともと人体に存在する油で、皮脂中でも3番目に多い成分です。お肌の表面を覆って水分の蒸発を防いでくれますが、加齢とともに減ってしまう油でもあります。サラサラして使いやすい反面、鉱物油のようにお肌の内部には浸透しづらい特性があり、外側を包むラップのような効果があります。

●シアバター(shea butter)

ナイジェリア、マリ、ガーナといった西アフリカの国で育つアカテツ科の「シア」の木の種子の胚から得られる植物性脂肪で、保湿効果が高く、リップケア、ヘアケアなどにも使われています。
また、傷や傷跡、火傷の手入れや、かゆみ止め、赤ちゃんのへその緒の手入れなどにも用いられ、さまざまな機能を併せ持つ多機能原材料として注目されています。

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